高知県観光ビジョンの基本的な考え方
瓶ヶ森(かめがもり)林道
年代から続いている不況に大きく影響され、我が国の観光は伸び悩んでいます。今後も少子・高齢化が進むと予想され、社会経済に影響を及ぼすとみられています。一方で、高度情報化の進展、交通の高速化と多様化、労働時間の短縮や余暇時間の増大などが進んできていることによって、国民の生活スタイルの多様化や個性化も進んできています。観光にも多様化と個性化が求められてきていると言えます。
観光によって交流人口が増大することは、観光産業のみならず、農林水産業、製造業等の幅広い分野にわたって地域の経済への波及効果をもたらします。そうしたことから、観光を地域に密着した総合産業として育てていくことが求められています。そして、観光産業をニーズの多様化や個性化に対応した地域の総合産業として育てていくためには、観光産業に携わる者だけではなく、県民も含めた一体となった体制での取組みが必要になります。
こうしたことをふまえて、昨年8月に「あったか高知観光条例」が公布されました。条例の前文に『高知県を訪れる人々と地域の人々との心が触れ合う交流を拡大するとともに、観光を地域の産業として更に発展させていくためには、これまで以上に地域の人々がわがまち、わがむらの魅力を見つめ直し、自信と誇りの持てる個性豊かな観光地づくりを進めていくことが必要です。高知県が「観光立県」を目指すための基本的な考え方と方向性を明らかにすることにより、広く県民が理解を深め、共通の目標と認識の下に、一人ひとりが観光振興の担い手であるという意識をはぐくむことが重要です。』とあります。「人々の交流」、「地域の産業としての観光」、「地域の魅力を見つめ直す」、「個性豊か」、「一人ひとりが担い手」ということがこれからの高知県の観光にとってキーワードとなります。
「観光ビジョン」は、この「あったか高知観光条例」をふまえて策定されています。高知県がめざす観光の将来像を、広く県民から意見を募り、議論を深めながら策定することにより、県民一人ひとりが「観光振興の担い手」であるという意識の醸成を県民運動的に盛り上げることを目指しました。同時に「観光ビジョン」を実行していくことによって、県全体のホスピタリティの向上を図り、リピーター客を増やし、観光入込客の増加を図ることをめざしています。
この「観光ビジョン」を、県、市町村、県民、観光事業者、観光関係団体が「協働」して実践していくことが、「持続する観光のまちづくり」の実現につながるものと考えます。
寒風山
室戸岬
高知城